HOMEみんなの勉強会セミナー第3回:車いすの使用時に発生しやすい身体への負担

セミナー第3回:車いすの使用時に発生しやすい身体への負担

第3回は、身体能力が衰えた利用者が車いすを利用される理由と実際に使用した際に発生しやすい身体への負担を見ていきましょう。

足・脚・腰が不自由になると・・・

図

図

車いすに座った時の身体的初期症状

車いすは身体的寸法に合わせた適合が大切であることは、第二回で紹介しました。ただ標準型車いすというのは、利用者その方のためには設計されていません。したがって、車いす利用者にとっての効果(上記の5項目等)を引き出すためには、症状による適合がさらに求められます。

図

前ズレが起きると身体にはどのようなストレスがかかるのでしょうか?

前ズレとは、見た目には文字通り座る姿勢が前にずれてしまう現象ですが、実はみなさんも日常生活で体験しています。いすや座いすなどに座り、背もたれに寄りかかると、おしりが前方向(脚側)にずれていくことを感じたことがあると思います。姿勢が崩れていくだけではなく、おしりのお肉や皮膚が突っ張る感覚を覚えるでしょう。それが身体にかかるせん断方向の力です。それを「ズレりょく」と言います。

図

前述した症状が見られる利用者が車いすに座った時には、車いすの座面と背もたれの生地に接触しているおしりと背中には常にこのような力がかかっています。さらに、おしりの坐骨や尾骨・背中の突出部には集中して圧力+ズレる力がかかりやすいのです。

図

イラスト毎日もしくは週に何日か利用する車いすは、移動手段であり生活する手段でもあり、さらに利用者・介助者の身体的心情的補助となり、ゆとりを生み出します。利用者の症状を考慮し車いすの利用目標を設定し、その実現のために必要な種類と付属品、そしてその選定理由を明確にすることは、利用者の生活の質の向上につながります。
「今、出来ること、しなければならない事」を利用者の症状をしっかりと見て、実践していきましょう。

車いすを利用されるのは、足・脚(下半身の各種関節不全含む)が不自由な方が多いと思います。
足・脚・腰が不自由になることで、利用者にとってどのようなことが想定できるでしょうか。
  1. 外出機会が減る ⇔ 外出の機会ができる(外の空気を吸える・季節を感じる
  2. 社会とのつながりが希薄になる ⇔ 社会参加・交わりを持つことで、つながりを感じる
  3. 何事も自力で行おうという気力が衰える ⇔ 自立して生活しようという意識を持てる
  4. 自分の意図するペースで生活が出来なくなる ⇔ 自分のペースで生活しやすくなる
  5. 身体を動かす機会が減る ⇔ 身体を動かす機会が増え体調がよくなる
車いすを効果的に利用することで、ADL(日常生活動作)を改善するキッカケにもなります。
さらに、介助者にとっても効果的なことがあります。
  1. 身体的負担が軽減する(室内外問わず、抱えて移動する動作の減少)
  2. 介護が効率化でき、時間が有効活用できる
  3. 介助に余裕ができ、コミュニケーションが充実
  4. 心のゆとり
一例として挙げましたが、車いすを適切に利用することで、寝たきりを減らし、積極的な社会参加をすることは生活の質の向上に直結していきます。だから、車いすはとても便利な補助具です。利用者本人のみならず、介助者の補助にも繋がっています。

車いすに座った時の身体的初期症状

車いすは身体的寸法に合わせた適合が大切であることは、第二回で紹介しました。ただ標準型車いすというのは、利用者その方のためには設計されていません。したがって、車いす利用者にとっての効果(上記の5項目等)を引き出すためには、症状による適合がさらに求められます。

では、高齢による車いす利用者に多くみられる身体的初期症状と車いすに座った時の現象は・・・
  1. 脚の踏ん張りが効かない
    → おしり部分だけで上半身の荷重を支えるようになる
  2. ハムストリングの短縮
    → フットレストがひざ位置より前にあるため、おしりが前に引っ張られる
  3. 背中が丸くなっている
    → 背もたれとおしりの後ろに隙間ができるため、前スベリが起きやすい
  4. ひざ関節が伸ばせない・曲がらない
    → フットレスト位置が固定のため、座る姿勢に無理が生じ、崩れやすいが想定できます。そこで、全体的な姿勢を見ることでバランスを整えることも大切ですが、部分的に身体にかかる負担を見逃さないようにしましょう。
上記の症状による典型的な座る姿勢として多くみられるのは、骨盤の後傾による「前ズレ」という現象です。みなさんも幾度となく聞いている言葉だと思います。それだけではなく、おしりにかかる上半身の荷重による圧力が想像以上であることは、すでにみなさんも日常生活の中で体験されていると思います。

前ズレが起きると身体にはどのようなストレスがかかるのでしょうか?

前ズレとは、見た目には文字通り座る姿勢が前にずれてしまう現象ですが、実はみなさんも日常生活で体験しています。いすや座いすなどに座り、背もたれに寄りかかると、おしりが前方向(脚側)にずれていくことを感じたことがあると思います。姿勢が崩れていくだけではなく、おしりのお肉や皮膚が突っ張る感覚を覚えるでしょう。それが身体にかかるせん断方向の力です。それを「ズレりょく」と言います。

そのような姿勢をちょっと続けていると、ほどなくおしりが痺れてきますね。それは、上半身の荷重によるおしりへの圧力だけではなく、さらにズレる力が加わることで、皮膚を引っ張り、血管をつぶしてしまう傾向があるからと言われています。それでは、手で試してみましょう。

指を押し当てながら滑らせてみると、皮膚も一緒に移動するのがわかります。その状態を続けるということは、大変な苦痛です。

前述した症状が見られる利用者が車いすに座った時には、車いすの座面と背もたれの生地に接触しているおしりと背中には常にこのような力がかかっています。さらに、おしりの坐骨や尾骨・背中の突出部には集中して圧力+ズレる力がかかりやすいのです。

全体的な姿勢をみることも大切ですが、車いすを利用するときには、身体と車いすの接触面に想像以上の圧力と座る姿勢特有のおしりと背中に発生する「ズレりょく」に留意することが非常に重要です。

高齢の場合、皮膚にハリが見られなくなるや骨ばっていることで、ズレる力による身体への負担は非常に大きいことがわかるかと思います。


トップに戻る